2014/01/23

所得隠し11億円 「出会い系サイト」はいまだボロ儲け

 今や出会い系サイトは脱税の“巣窟”だ。  21日は、国内最大規模の出会い系サイトグループが、12年までの6年間で総額約11億円の所得隠しをしていたことが発覚。グループは全部で約140社あり、そのうち国税当局から指摘を受けたのは、運営会社「ラポーアンジェリック」(千代田区)など約40社に上るという。  これに限らず昨年も、出会い系サイトを運営していた都内の広告会社社長が約3億円とか、大阪市の実質経営者が約7000万円を脱税していたことが明るみに。 「12年度に全国の国税当局が強制調査で摘発した脱税事件のうち、検察庁に告発した悪質な事例は129件。職種別の最多は出会い系サイトの10件(前年度比4件増)で、初めて建設業を抜きました」(国税庁事情通)  と、いまだに出会い系サイトはボロ儲けできるようだ。 「今回、国税当局の一斉調査を受けたグループの実質経営者は千代田区の塗料会社社長(65)と、その息子とされます。運営会社を全国各地に次々と立ち上げて荒稼ぎし、1年ほどで閉鎖していくという手口で納税を逃れていました。一時は100人ほどのフリーター男を雇い、女性のフリをさせて客とやりとりさせていたそうです。それで年間30億円超を売り上げたこともあるというから、“商才”はあるんでしょう」(捜査事情通)  風俗ライターの村上行夫氏によると、最近は業績が悪化した零細企業の経営者が、副業で出会い系を始めるケースも増えているんだとか。いずれにせよ、いまさらネット上で女性を装った“ネカマ”に騙される利用者も、考え直した方がいい。 ■騙しの手口も巧妙に 「騙しの手口は、どんどん巧妙になっています。<あのサイトはサクラばかり>とネット上でウワサになったら商売上がったりなので、実際に利用者と会うサクラを用意している業者もいる。例えばデリヘル店と示し合わせて、暇なデリヘル嬢を会いに行かせ、<今日は急用が…、30分ほどお茶でも>と、おしゃべりだけで引き揚げさせる。それでも<あそこは本当に出会えるぞ>と、口コミで評判に。それで一気に客を集めてボロ儲け、というわけです」(業界関係者)  出会い系の“プロ”に言わせると、1000円以上かけて1人も会う約束が取りつけられないサイトはパスが暗黙ルールだという。