2011/08/23

出会い系サクラ「違法」

 出会い系サイトでメールをやりとりした相手は会員になりすました「サクラ」だったとして、埼玉県内の三十代の女性が東京都渋谷区の情報提供サービス会社「NOW(当時アバンテ)」と代表者を相手取り、利用料の返還など約六百万円の支払いを求めた訴訟の判決が、さいたま地裁越谷支部であった。佐藤美穂裁判官は「詐欺に該当する違法なサイト運営」と認定し、会社側に全額の支払いを命じた。

 判決は八日。原告側代理人によると、サクラを使った出会い系サイトの違法性を認定し、運営会社に賠償を命じた判決は全国でも珍しいという。

 判決によると、女性は二〇〇六年十月、携帯電話のインターネットサイトで、同社が運営する出会い系サイトを利用し、約一年四カ月間で利用料五百四十四万円を支払った。メールの送信、受信(閲覧)を一回するごとに二百三十円が課金されるシステムだった。

 佐藤裁判官は、「会いたい」「お金をあげる」などと気を引くメールが利用者に次々と送られていた実態があり、メールを継続的に使用させるためのサクラによる行為があったと認定。「女性のメール相手もサクラでなかったとは考えにくい」と判断した。

 交流が深まればサイトを通さずにメールができて直接会え、料金は不要になるという広告について、「相手がサクラであるのに、(会員同士が)直接メールしたり、会えると偽ることは詐欺行為に当たる」と指摘した。

 被告側代理人は二十二日、「一方的な判決内容で、納得がいかない。控訴する」とコメントした。

「サクラ」のアルバイトはいわば「公然の秘密」

経産省は、「最近は、出会い系サイトは非常に巧妙になっており、ある程度まで無料であるにもかかわらず、ある一定ラインに至るといきなり有料になるサイトが増えてきた」としており、無料で利用者を引き寄せておいて、ポイントを購入させ、さらに「サクラ」でポイントを消費させる、という手口が増えてきているようだ。

ある男性も、「無料」を謳った携帯電話の出会い系サイトに登録したところ、ポイント制だったことが判明。しかし、登録時にいくらかのポイントが無料で与えられ、「無料だからポイントを使いきるまで試してみよう」と考えメッセージのやり取りをしていた。しかし、「女性」と出会えそうなタイミングで無料ポイントを使いきり、「コンビニで簡単に入金できるため、危うくポイントを購入するところだった」と話している。

一方で、一部の出会い系サイトで、ポイントを消費させる役目を担う「サクラ」のアルバイトが存在することも今ではいわば「公然の秘密」。Q&Aサイト「教えて!goo」でも「出会い系サイトのサクラのバイトについて教えて下さい」と質問が書き込まれ、「バイト情報誌に『入力業務』とあったので応募したら、さくらのバイトでした・・」「私の友人がバイトしていました。募集職種は『一般事務』かなんかだったけど、その実サクラでした、みたいな…」といった回答が書き込まれている。また、ある男性会社員はJ-CASTニュースに対し「女友達が『サクラ』のバイトをやっていたが、『楽勝』と言っていた」と話している。さらに、こうしたアルバイトの給与は、時給制ならば時給1500円前後、出来高性なら1通200~500円前後というのが相場であるようだ。

2011/01/19

迷惑メールで社長ら逮捕「女性はサクラ」

苦情が24万件

 出会い系サイトに誘導する迷惑メールを不特定多数に送信したとして、東京・池袋にある出会い系サイト運営会社の社長・岩田敏雄容疑者(36)らが17日、逮捕された。岩田容疑者らは「一度に500万通を送信していた」などと容疑を認める一方で、出会い系サイトについて「女性はサクラを使っていた」と供述している。

 京都府警によると、岩田容疑者らが運営する出会い系サイトをめぐっては、総務省の外郭団体に「実際には女性はいないのではないか」などといった苦情が24万件寄せられていたという。